2010年07月15日

明16日 制限解除? 汚染国宣言?

明16日 制限解除? 汚染国宣言?

鹿児島大学 岡本嘉六

(鹿児島大学  岡本嘉六先生のブログより転載)

先週まで「県は異常がなければワクチン接種エリアは16日に、宮崎市は27日に制限を解除する方針」といった報道が繰返されていた。しかし、先週末から知事は民間種牛問題に焦点を絞り、目くらまし作戦を展開し、何事もなく明日の移動制限解除を迎えようとしてきた。明日は、知事の目論見どおり、制限解除を巡って知事と大臣の抗争が展開されるのだろうか? しかし、宮崎県内の生産者団体が民間種牛の早期殺処分と清浄国復帰について県に要望書を出す事態が起きている(毎日新聞14日)。また、本日になってワクチン接種地帯で発症例があったことが報じられている(読売新聞15日)。このような混乱は、口蹄疫対応において日本が統治能力を失っていることを諸外国に示すものであり、OIEによる清浄化審査に悪影響を及ぼす可能性が大きい。

そもそも、民間種牛問題を生み出したワクチン接種の原因を振り返ると、知事がこれについて発言すること事態が倫理の欠如(モラル・ハザード)以外の何ものでもない。「流行の中間整理(7月5日)」に書いたことであるが、4月28日に県畜産試験場で豚の感染が発覚して以降次々と養豚場での発生が続く中、知事は補償交渉を優先して10日以上も殺処分を遅らせた。これが児湯郡の悲劇を招き、ワクチン接種を余儀なくさせた原因である。その反省もなく、5月初旬と同様に「健康な家畜を殺せますか!」と正義の月光仮面を演じる姿は滑稽である。豚は呼気中に牛の3000倍のウイルスを排出するとされており(FAO「第2章 この疾病の特徴」)、膨大な数が感染した児湯郡には大量のウイルスが空中に漂っていたのであり、それを吸った家畜が暴露されていない可能性は極めて低い。人心を惑わす知事の責任は重大である。

知事は種牛の抗体検査を主張しているが、制限解除の前に必要な発生地区周辺の抗体検査を行わないで自分の都合を優先する理屈は通らない。「口蹄疫清浄化への道程(7月5日)」や「ワクチン接種地帯外周における清浄化検査は?(7月9日)」で書いたことだが、ワクチン接種地帯は感染地帯と同義であり、その外周に広がっていないことを血清学的に検査しなければ清浄国に復帰できない。知事は、清浄資格の回復に必須の「殺処分政策」と「血清学的発生動向調査」の両方を無視する意向のようだ。知事には、日本国の清浄化は念頭にないらしい。

相撲中継がなくなった代わりに、明日は「知事―大臣バトル」が中継されるかも知れない。日本の混乱を終息させるにはどうしたら良いのか?


ニックネーム りぼん。パパ at 17:38| Comment(0) | TrackBack(0) | メンテナンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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