2010年04月28日

豚にも口蹄疫症状

豚にも口蹄疫症状=県施設の486頭処分へ−宮崎
4月27日19時0分配信 時事通信

 宮崎県は27日、同県川南町の県畜産試験場川南支場で飼育する豚5頭に口蹄(こうてい)疫が疑われる症状が出たと発表した。これまで同一の農場の水牛が口蹄疫感染を疑われたために殺処分した豚はいたが、豚自体に症状が表れたのは初めて。28日に判明する遺伝子検査の結果を待たず、同支場が飼育する全486頭の殺処分を開始する。

 
<口蹄疫とはどんな病気?〉 日本獣医畜産大学畜産食品工学科肉学教室

 台湾で豚の口蹄疫が発生し,輸出禁止措置がとられました。豚肉需給量の17.3%が台湾から輸入されていただけに,食肉業界にとっては昨年の狂牛病,O−157に続く大問題ですが,口蹄疫とはどんな病気なのでしょう。
 口蹄疫は直径約24nm(1ナノメートル=10億分の1メートル)の球形をしたウイルスによって牛・豚・山羊等の偶蹄類動物にかかる急性伝染病で,国際的にもっとも重要な家畜伝染病なのです。口蹄疫にかかった動物の死亡率は低いのですが,伝播力は極めて強く,感染速度が早く,ひとたび流行すると広範囲に広がってしまいます。16世紀初めに北イタリアで発生したのが最初で,18世紀には全世界に拡大しました。
 近年は各地域での清浄化が進みましたが,依然として東ヨーロッパを中心に発生がみられます。日本においてほ1899〜1901年にかけて流行しましたが,その後の発生はみられず清浄国になっています。
 感染経路は,口蹄疫にかかった動物からのウイルス※1が分泌物や排泄物等(呼気,唾液,鼻汁,糞尿等)を通して大量に体外へ排出され,直接的,間接的(口蹄疫のウイルスは空中の微粒子に付着,風に飛散したり,ネズミや波り鳥がウイルスの媒介者となることがあるとの学説もある)に他の動物の気道粘膜,口内粘膜等に入り増殖し,血液を介して体内の各臓器に運ばれ,増殖し,発病する―というものです。
 豚の場合,感染1〜2日後には発病,発熱とともに口内炎を起こし,はなはだしい流涎とともに口腔内,鼻粘膜,蹄の周辺等に水泡やびらんを形成します。豚は発育障害,運動障害,栄養障害等を引き起こし,痩せこけて食肉としての利用ができなくなります。
 人間に対しては,一般的に感染はせず,口蹄疫にかかった豚肉を食べても影響はないといわれています(タイプによって感染するという学説もあるようです)が,人間が媒介者となることも考えられますので十分に気をつけた方がよいでしょう。肉が利用できず,養豚家にとっては大きな経済的損失をこうむりますが,消費者にとっても健康的な栄養満点の豚肉,豚肉加工製品が手軽に求めることができなくなります。
 現在,この口蹄疫に対しての効果的な治療法はありません。汚染地域からの動物,食肉,肉加工品の輸入を禁止する以外の方法はないようです。口蹄疫常在国においては,ワクチン※2接種が行われていますが,発生ウイルスと同じタイプのワクチンを用いなければ効果がありません。血清学的には7タイプがありますが,発生をみない国での予測による大量備蓄は難しいところがあるようです。
 日本は現在のところ口蹄疫清浄国ですが,万が一発生をみた場合は速やかに情報を公開し,発生周囲の防疫態勢を確立し,発病動物の淘汰,2次蔓延防止のため,タイプに合ったワクチンを緊急輪入して対応する以外方法がないようです。
 ※1:細菌より小さく,生きた宿主の細胞の中でのみ増殖する生物界最小の生きもの。宿主の種類によって動物,植物,細菌ウイルスに分けられる。大きさは0.4〜0.01μ,形は球形が多数で,ほかに六面体,棒状などがある。外殻はタンパク質で内面に遺伝子のDNA,RNAを含んでいる。
 ※2:感染症予防の目的で動物を能動免疫するための抗原をいう。製法により生ワクチン,不活化ワクチン等種類がある。ジェンナーの牛痘が有名。パスツールがワクチンと命名した。
 参考文献:ジャラエツ微生物学17版・廣川書店,獣医伝染病学・近代出版,医学大辞典・医歯薬出版。        (鏡 晃)



口蹄疫について
 
1 原因(病原体)
 口蹄疫ウイルス(Picrnaviridae Aphthovirus)


2 感受性動物
  牛、水牛、めん羊、山羊、豚、しか、いのしし

3 症状
 突然40〜41℃の発熱、元気消失に陥ると同時に多量の流挺(よだれ)がみられ、口、蹄、乳頭等に水胞を形成し、食欲不振,は行(足をひきずる)を呈する。

4 発生状況
(1)国内
   2000年(平成12年)宮崎県及び北海道で発生したが、清浄化を達成
(2)外国
   イギリス、フランス、中華人民共和国、大韓民国、台湾、ロシア、アフリカ、中南米他
   (発生国地図)


5 診断法
(1)血清学的検査により抗体の確認を行う。
(2)水胞材料からのウイルス分離を行う。

6 予防法
不活化ワクチンが用いられているが、現在は発症牛のとう汰による清浄化の推進が中心となりつつある。

7 治療法
(1) なし。
(2) 発生した場合は、家畜伝染病予防法に基づき、まん延防止のため家畜の所有者によると殺の対象となる。

8 その他
(1) 我が国では厳重な検疫を実施(発生国及び発生の疑いのある国からの家畜、畜産物等の輸入禁止又は停止措置)している。
(2) 本病の発生が疑われた場合は、家畜伝染病法及び海外悪性伝染病防疫要領に基づき病性鑑定を実施し、本病と診断された場合には、患畜・疑似患畜のと殺のほか、通行遮断や移動禁止などの厳しい措置がとられる。

(3) 本病は、感染した牛との接触や空気感染のほか、ウイルスの付着した飼料、器具、衣服、車両等を介して、広がる。


ニックネーム りぼん。パパ at 08:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 養豚豚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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