2009年04月28日

なぜメキシコに集中、発生の経緯にも関心

【新型インフル】なぜメキシコに集中、発生の経緯にも関心
2009.4.28 19:25
 【ニューヨーク=松尾理也】新型インフルエンザと認定されたメキシコでの豚インフルエンザの感染は27日、死者数が149人に達し、被害拡大に歯止めがかからない状況となっている。なぜ、メキシコだけで死者が相次ぐのか、他国で死者が出ていないのは単なる幸運なのか。専門家も首をひねっている。一方、南部ベラクルス州で今月初め、最初の感染者が出ていたことが判明するなど、謎だった発生の経緯が次第に明らかになってきた。 メキシコのコルドバ保健相は27日の会見で、死者が149人と、前日の103人から急増したことを明らかにした。こうした状況を受け、全土の学校が5月6日まで休校となる。首都メキシコ市では、全市の商業活動の禁止や公共交通機関の停止なども検討されており、メキシコ社会は前例のない混乱に陥りつつある。
 保健相はまた、南部ベラクルス州で今月2日より前に、4歳の男児が豚インフルエンザに感染していたことを明らかにした。13日に、隣接するオアハカ州で初の死者が出た約2週間前にあたる。この男児の感染が、現時点でメキシコで把握されている最初の感染とみられる。男児は現在、健康を取り戻している。 男児が住む山間の村の近くには米・メキシコ合弁の大規模な養豚場があり、廃棄物によって周辺の水や空気が汚染されたとして、住民の抗議活動が続いていた。今年2月にはすでに、体調の不良を訴える住民が続出していたとされ、地元メディアを中心に、ここが発生源ではないかとの推測が広がっている。しかし、養豚場を経営する米食品会社は感染との関連を否定する声明を発表。メキシコ農業省も養豚場で飼育されている豚からウイルスは検出されていないと発表し、真相はまだ解明されていない。
 世界的に感染が拡大する一方で、死者がメキシコ以外には出ていない理由にも、関心が集まっている。解明されれば、今後の世界の対応も変わってくるが、世界保健機関(WHO)報道官も「理由はまだ判明していない」と語るだけだ。
 いくつかの推測は成り立つ。米疾病対策センター(CDC)はメキシコと米国でそれぞれ発見されたウイルスが基本的に同型だとしているが、国境を越える過程でさらに変異し、毒性が変化した可能性も排除しきれない。
 メキシコの医療水準の低さが、感染拡大につながっているとの見方もある。コルドバ保健相も会見で、不備を認めざるを得ない場面にしばしば追い込まれた。現状では、感染者と認定されても隔離などの措置はおろか、薬剤の投与も受けられないケースも珍しくないという。
 米国側は、死者が出ていないからといって、気を緩めてはいない。CDC担当者は「現在まで、われわれは多分に幸運だった、ということ」と述べた上で、「重要なのは推測ではなく、科学的な裏付けだ」と強調している。


ニックネーム りぼん。パパ at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 人畜共通感染症(ズーノーシス) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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