2009年04月28日

経済への悪影響に配慮か WHO「5」見送り

<豚インフル>経済への悪影響に配慮か WHO「5」見送り
4月28日13時57分配信 毎日新聞

 【ジュネーブ澤田克己、関東晋慈、下桐実雅子】世界保健機関(WHO)は27日、新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)に備える警戒レベルを「フェーズ4」に引き上げたものの、一部でうわさされた「5」への引き上げは見送った。また、渡航制限への反対姿勢を明確にし、通常のインフルエンザワクチン生産の継続を各国に勧告するなど、国際社会に与える影響の大きさに配慮した跡が見受けられた。

 この日の緊急委員会終了後に会見したケイジ・フクダWHO事務局長補代理は「純粋に技術的観点からの議論でフェーズ引き上げが決められた」と強調。同時に「引き上げによる政治的、経済的な影響を強く認識していた」と認め、経済への悪影響を懸念する加盟国の立場を無視できないWHOの苦しい立場をうかがわせた。

 WHOの判断について、押谷仁・東北大教授(ウイルス学)は「今後どの程度の被害が出るか、ウイルスの病原性が分からない。そのためWHOは警戒レベルをフェーズ5まで引き上げられなかったのだろう。渡航制限については慎重だが、いずれ踏み切るだろう。メキシコでウイルスの詳細が確認できれば、日本をはじめ各国は、SARS(急性肺炎)の際にも出た海外渡航延期勧告を出さざるをえない」と推測する。

 押谷教授は「地域的な広がりは避けられず、欧州のスペインなどで人から人への感染が確認されればパンデミック(大流行)の状態になる。だが、感染は拡大しても季節性程度の被害にとどまるのか、我々が考えていたような大きな被害をもたらすものなのかが問題だ」と話す。

 また、日本をはじめ、WHOがフェーズを4に上げないと対策を取ることができない国がある。押谷教授は「加盟国からのプレッシャーはあっただろう」と政治的な背景も推測する。

 松本慶蔵・長崎大名誉教授(呼吸器感染症)は「各国に用心させる意味があり、患者の早期発見や感染の監視を促す警告だ」とみる。「人から人への感染は、メキシコが中心だ。アメリカの感染者はメキシコからの帰国者で、そこの地域でどんどん広まっているわけではなさそうだ。他の国も同じ。情報が少ない現時点で、フェーズ5に引き上げる必要はないだろう」と話す。


ニックネーム りぼん。パパ at 17:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 人畜共通感染症(ズーノーシス) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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