2008年12月23日

食道裂孔ヘルニア(横隔膜細孔裂孔とも言う)

しょくどうれっこうへるにあ
食道裂孔ヘルニア


どんな病気か


 豚やヒトには胸部と腹部の間に横隔膜(おうかくまく)という隔壁(かくへき)があって、胸腔と腹腔を分けています。胸腔と腹腔に連続している大動脈、大静脈、食道は、それぞれ横隔膜にある裂孔(小さな穴)を通っています。
 食道が通る穴が食道裂孔で、この穴を通って腹腔内にあるべき胃の一部が胸腔側へ脱出している状態を、食道裂孔ヘルニア(横隔膜細孔裂孔とも言う)といいます。
 食道裂孔からの胃の脱出は腹圧のかけ具合によっても変化しますし、立ったり座ったりしている時と横になっている(臥位(がい))時では変化します。呼吸により出たり入ったりもします。重症例では胃の半分以上、時には全体が縦隔(じゅうかく)内に脱出することもあります。


原因は何か

 生まれつき食道裂孔が緩く胃が脱出している先天性の食道裂孔ヘルニアの症例もあります。また、高齢となり体の組織が緩むとともに食道裂孔も緩んで食道裂孔ヘルニアとなる人もいます。背中の曲った(亀背)人が食道裂孔ヘルニアを合併していることは、まれではありません。
 そのほか、喘息(ぜんそく)や慢性気管支炎などの慢性の咳嗽性(がいそうせい)疾患のある人は、腹圧が上昇するので食道裂孔ヘルニアになりやすくなります。また、肥満の人も腹圧上昇による食道裂孔ヘルニアが現れやすいといわれています。


症状の現れ方

 食道裂孔ヘルニアがあるだけで自覚症状がなければ、単にヘルニア状態にあるだけで問題となりません。自覚症状や逆流性食道炎を合併して初めて、“ヘルニア症”ともいうべき病態を呈します。
 むねやけ、胸痛、つかえ感が三大症状で、これは逆流性食道炎の症状と同じです。症状をとくに強く自覚するのは夜間就眠時(とくに明けがた)、かがんで草取りなどしている時、食後しばらくした時、酒・たばこ・コーヒー・ココア・チョコレート・油ものなどを摂った時などです。


検査と診断

 診断にはバリウムによるX線造影、内視鏡が一般に用いられます。特殊なものとして食道内圧測定があります。
 X線造影所見から、滑脱(かつだつ)型、傍(ぼう)食道型、混合型に分類されています(図4)。滑脱型食道裂孔ヘルニアの頻度が高く、大部分がこの型です。
 X線造影を行うにあたっては、あお向けとするだけでなく、頭を下げたり、息ごらえをして腹圧をかけたりするとはっきり造影されます。横隔膜上食道憩室(けいしつ)との区別を要することがあります。


治療の方法

 形態的変化であるため、治療は外科的手術になります。脱出している胃を腹腔内に引きもどし、開大している食道裂孔を縫縮し、逆流防止手術を追加します。食道のまわりに胃底部を全周性に巻きつけるNissen法、亜全周性のToupet 法、Dor法、噴門(ふんもん
)部を正中弓状靭帯(じんたい)に縫合するHill法などがあります。最近では腹腔鏡下にNissen 法が行われています。


病気に気づいたらどうする


 つかえ感やむねやけ・胸痛があったら消化器科に受診して、上部消化管造影と内視鏡の検査を受けるとよいでしょう。
 食道裂孔ヘルニアが軽ければ、とくに治療の必要はありません。逆流性食道炎があればH2受容体拮抗(きっこう)薬やプロトンポンプ阻害薬を服用します。傍食道型食道裂孔ヘルニアは原則的に手術を行う必要があります。食道裂孔ヘルニアも手術の対象となります。



ニックネーム りぼん。パパ at 16:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
わたし、これを患っております。
おそらく、先天性です。
物心つく前から「反芻」をしており、
「これは、まだ咀嚼が足りないから、もう一度噛んでから飲み込んでくれ」という体のサインだと思っていました。
医者に、こう話したら、「普通のひとは、そんなことはないんですよ。それを胃食道逆流現象というのですよ」と教わりました。
いま、パリエットとガナトンで、
胃酸をおさえるような対処療法をしています。
Posted by びゃら at 2008年12月31日 16:02
びゃらさんへ>>

人間の場合は、手術で、穴を塞ぐことも可能です。びゃらさんの場合、噴門と言う、胃と食道の間の弁が正常に動いていないことも、考えられます。パリエットとガナトンは、食道が胃酸で溶かされるのを防ぐ、対処療法なので、根本療法を考えた方が良い時期に来ているかもしれません。胃粘膜下腫瘍があって、噴門の動きが悪い場合は、噴門の機能を温存して、切除手術が出来るかでしょうか?噴門弛緩症と言って、噴門が閉まらなくて、戻ってくる場合もありますし。食道炎の症状次第で、早めに、処置をされた方が、食道癌に発展する場合もありますよ。朝起きるとき、胸焼けがしているなら、明らかに、噴門の動きがおかしいですよ。

なお、最近は、鼻から入れる胃カメラで、かなりの処置も出来るように、医療技術が進歩したそうですよ。
Posted by りぼん。パパ at 2008年12月31日 19:09
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