2008年12月23日

実験用小型ブタ(KCGブタ)

日本におけるペットミニブタには、おおむね、白毛をベースにしたものと、黒毛をベースにしたものが、存在する。黒毛は元々のポットベリーの原種在来ブタに、似ているが、白毛の国内でのルーツを探ってみたところ、KCGブタに、めぐり合った。多分、写真から見ると、ペット用ミニ豚の白毛は、KCGブタのMIXと思われる。


No.36 2000.10育種と改良

 実験用小型ブタはユーザーの主体が医学、薬学分野等の研究者で、用途も多岐にわたることから、求められる形質が産業用豚とは異なる事が多く、畜産分野では異色の存在とも言えます。ここでは、茨城牧場において 保有している系統とその育種方針をご紹介いたします。
茨城牧場 実験用小型ブタの育種と改良

(茨城牧場業務第二課 高橋 和成、筒井 真理子)

1 はじめに
 日本実験動物協会調べによると、平成10年に動物実験に使用されたイヌは約18,000頭、ブタは約3,000頭(うち、小型ブタは400頭)である。本来、ブタは生理的に(特に心臓や皮膚が)人間に近いと言われているが、実際に動物実験に使われる数としては、このようにイヌに大きく水をあけられている現状にある。
しかしながら、近年、動物愛護の観点から、イヌやネコを単なるペットとしてではなく、コンパニオンアニマルとして取り扱う傾向にあり、これらの動物を用いた実験が手控えられる傾向にある。このため茨城牧場において、ビーグル犬で実施されていたような、比較的精度の高い実験の代替動物として、平成3年度から動物福祉面で問題が少ない実験用小型ブタ(原種)を提供すべく、関係機関の要請を受け、育種改良業務に着手してきている。

2 現有系統
 当初は、主として国内から様々な系統の小型ブタを導入し、その、性能調査(発育曲線、産子数、性質、体色等)を実施していたが、必ずしも前述の目的に合致する素材が得られなかったことから、平成7年に「中国系小型ブタ」を、また、平成8年に「メキシカンヘアレス種」を導入し、これらを素材にした新たな展開を図ってきている。

hearesu.jpg

2−1 メキシカンヘアレス種

 「メキシカンヘアレス種」(左写真)は、日本では馴染みの少ないブタであるが、アメリカで実験用小型ブタの主流として年間数千頭(推定)の規模で供給されている「ユカタン・ミニ種」等と近縁で、今後の当場における育種業務の中核として位置づけている系統である。
性格が温和で、貧毛というすばらしい形質を保有している反面、6ケ月齢体重が約40kg、12ヶ月齢体重が約70kgと、従来使用されてきている実験用小型ブタ(12ケ月齢体重が30kg程度)と比べると、スリムではあるがやや大型で、かつ、有色(灰黒色)である。
当場で保有しているメキシカン・ヘアレス種は、まだ遺伝的に固定されておらず、表現型(体格、体色、被毛量等)にかなりのばらつきがあることから、淡膚色、貧毛等の有用形質保有個体群をサブラインとして造成する一方、新たな用途の開拓(太りにくい形質を活用した肥満や貧毛を活用した発毛のモデル動物として等)を図っていくこととしている。
2−2 中国系小型ブタ
 「中国系小型ブタ」も、日本では馴染みの少ないブタであるが、中国では主として食用に用いられている多産系の小型ブタである。
一般に、ブタは小型化が進むと、それに比例して産子数が減少する傾向にあるため、本系統のもつ小型かつ多産としての形質は利用価値が高い。
2−3 三元交雑種
 当場においては、今まで述べてきた「メキシカンヘアレス種」及び「中国系小型ブタ」以外に、三元交雑種を保有している(左写真)。当該系統は、日本の実験用小型ブタの代表種の一つである「クラウン系」と「ゲッチンゲン系」の交雑種に「中国系小型ブタ」を交配したもので、「KCG」と呼称している。「KCG」は、当場が保有する唯一の白色(肌色)、小型の系統であり、中国系の有す多産性を有するものとして「メキシカンヘアレス種」と同様、重要視している系統である。

kcg.jpg

2−3 KGC豚

3 まとめ
 実験用小型ブタの最大の特徴は、用途が多岐にわたることであろう。薬理試験、毒性試験、栄養試験・・等、従来の実験動物としての用途の他、医学領域では異種移植のドナー動物としても試験が開始され、また、各種疾患のモデル動物としても有望視されている。
 しかしながら、実験用小型ブタが実験動物界において確固たる地位を獲得するためには、現状の供給基盤はあまりにも脆弱である。このため、当場において実験用小型ブタの原種を育種改良し、提供していくことは、単に、直接的効果(日本で入手可能な実験用小型ブタのバリエーションを増やす)に留まらず、当場が供給基盤の一翼を担うことにより、実験用小型ブタ自体の信用度を上げ、シェアの拡大につながると考えている。
ニックネーム りぼん。パパ at 11:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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