2008年11月21日

ミニブタのおしっこの出が悪いとき。

尿結石について
 尿結石とは膀胱の中で作られた石のことを言います。この結石が作られると、オシッコをするときに結石が膀胱から尿道にも流れ出て、様々な排尿障害を引き起こすことがあります。


 今回は、尿結石の症状や、発症後のケアについてご紹介いたします。
尿結石とは
 尿結石は、もともと顕微鏡でわかるくらいの小さな結晶が集まって作られるものです。一言に結石といってもその種類はさまざまです。尿結石全体の猫の例では、75%を占めるのは「ストラバイト結石」と呼ばれているもので、尿を顕微鏡で覗くと“ストラバイト”と呼ばれる結晶が見られます。


 ほかにも「シスチン」「シュウ酸カルシウム」「尿酸アンモニウム」などがあり、オシッコの成分によって作られる結石も異なってきます。

尿結石になりやすいのは
 尿結石ができることで排尿障害を起こす病気を「尿石症」と言いますが、これは現代ペットの生活習慣病になりつつある病気です。
 尿石症になる原因としてビタミン・ミネラルバランスの悪さ、飲水量の不足、肥満や運動不足などがあります。また尿結石を作りやすい体質もあるため、遺伝性も考えられています。膀胱炎を始め、細菌の感染も尿結石を作る原因となります。


 尿石症はオスにもメスにもある病気ですが、基本的にはメスの尿道のほうがオスより太くて短かく外部からの細菌が侵入しやすいため、メスに起こることが多いようです。


 ただし、小さな石ならオシッコとともに排出できるので、大きな結石になるまで膀胱にとどまりにくいことが特徴です。その反面、オスは結石ができにくい代わりに、たとえ小さな結晶でも尿道につかえてしまうことが多々あります。それがやがて尿道の途中で完全に詰まってしまうとオシッコが出なくなり、大変危険な病気になってしまいます。

症状について
 飼い主さんが気づく症状として「オシッコがあまり出ていない感じがする」「オシッコの時間が長い」「どことなく元気がない」「水を飲む量が増えてきた」「血尿」などがあります。ほかにも、オシッコがたまった膀胱を圧迫されるため抱かれるのを嫌がったり、膀胱や尿道にある石が粘膜を傷つけるため、排尿する度に痛くて悲鳴をあげたりすることも多いようです。


 特にオスの場合は尿道に詰まることでオシッコが出なくなると、オシッコとして出すべき老廃物や毒物が体の中に再吸収されるため、引き続き腎不全を起こします。その状態になると犬は中毒症状を起こし、吐いたり、ぐったりしたり、中には痙攣を起こすことにもなりかねません。

尿石症になってしまったら
 尿石症になってしまった場合、大きな結石であれば手術をして取り出します。また、小さな結石や結晶であればそれらを溶かす餌やお薬、利尿剤などを与えることで治療をします。すでにそれらが尿道に詰まってオシッコが出なくなってしまっている場合には、オシッコを通過させるための緊急処置(外科手術)が必要です。

 また結石や結晶を溶かす餌は、その結石の種類によって食べさせる餌が異なりますので、その成分を調べることが不可欠となります。なお、手術によって結石を取り出しても、以前と同じ生活をしていると半年〜1年で再び結石が作られてしまうこともあるため、このような場合も結石をできにくくする食事療法によって再発を予防します。

発症後のケア
 発症後は、再発しないようにこのような食事療法で尿結石の生成を予防するほか、飼い主さんが日頃の生活環境を改善することが大事になってきます。食餌は動物病院で取り扱っている処方食や専用ミニブタフード、マグネシウムが少ないものを与えます。濃くて尿量が少ないオシッコは尿結石を作る要因となります。

 そのため尿量を増加させるために、ドライフード(水分10%)よりも、果物、野菜類(水分80%)を利用すると自然に水分摂取量が増やすことができます。水に無塩スープなどを加え風味付けをし、好んで飲ませるようにする、糖分の少ない甘みを付けた、100%ジュースや、マミー、ヤクルトなど乳飲料なども工夫のひとつです。

 また、特に冬場は寒いため飲水量が減り動きも鈍くなるため、トイレに向かうことが少なくなります。よってトイレの場所を含む室温を18〜25℃に設定したり、与える水の温度管理として、お湯に変える方法もあります。

 多頭飼育の場合には常に飲水できるように数箇所に給水の場所を設置します。高齢であまり動かないような子がいる場合には、お気に入りの場所や寝床のそばに置くのもよいでしょう。ただし、トイレの近くは汚染の可能性も出てくるため避けましょう。一般的には、トイレと飲水を置く場所は、離しますが、ドライフードや乾燥ペレットの場合は、交互に飲水できるように、したり、あらかじめペレットをお湯で溶いて、どろどろにして与えたり、おだんご状の練り製品で与えたりします。

 また、ストレスを起こさないような環境を作ることも大切です。特にトイレが汚れていたり、トイレの尿パッドの商品自体を変えたときにそれが気に入らなかったりすると、オシッコを我慢してしまうため尿結石の生成につながることもあります。

まとめ
 尿石症は一度発生すると、管理不十分により再発することも多い病気です。尿量・尿の色・排泄している時間など毎日の排尿状態をよく観察し、日頃から充分気を配ってあげましょう。
 また発症後の定期的な尿検査はとても大事になります。発症後に生活の改善をしたことにより尿石症の予防がちゃんとできているかどうかがチェックでき、もし予防できず再発してしまっていても病気の早期発見になります。


 尿石症において食餌の管理は非常に重要です。今まで食べていたおいしいフードを食べさせてあげられなくなることは残念かもしれませんが、飼い主さんが病気のことをしっかり理解して再び病気を起こすことがないようにしてあげることで、ペットは快適な生活をすることができるのです。

下部尿路疾患の様々な対処法
 屋内飼いのミニブタ尿石症が多い。そんな話を聞いたことはありませんか? もちろん犬やフェレット、小鳥などもオシッコの通り道、つまり尿路がなんらかの物質で詰まってしまう尿石症にかかる可能性はあります。しかし、その中でもおしっこの頻度の少ない屋内飼いのミニブタは尿路の疾患が多いというのは事実です。

 オシッコが詰まる原因となるものを「尿道プラグ」と呼びますが、その尿道プラグの中で最も一般的なものは「ストラバイト結晶」です。ストラバイト結晶はリンとマグネシウムとアンモニアがくっついて結晶化したものです。尿道の途中で完全に詰まってしまえば、オシッコが出なくなり腎臓の病気を併発したり、最悪の場合死にも至る怖い病気です。

尿を酸性にする (ストラバイト結石の場合)
 酸性やアルカリ性の度合いを測る物差しを「ph(ペーハー)」といいます。phには0から14まで目盛りがあり、7より値が小さくなるにつれ酸性度が増し、7より大きくなるにつれアルカリ性が強くなります。
0.1単位で測定できる試験紙が薬局で注文で手に入ります。おしっこに浸して、色を見るだけで、PHが解ります。

ストラバイト結晶は、尿がph7.0以上のアルカリ状態が続くことによって作られます。そしてphが6.6以下になると溶解します。ですから、ストラバイト結晶による尿路疾患では、尿をいかに酸性化するか、が重要となります。


 尿のphは食べ物によって大きく変化します。例えば、ドッグフードのように、肉や魚などを食べると尿が酸性側に、野菜、果物などのアルカリ食品を食べると尿がアルカリ側に傾きます。一般的に植物性タンパクは動物性タンパクに比べ、アルカリ尿をもたらす割合が高くなるといわれています。

肉食動物は、ストラバイト結石に成りにくく、草食動物は、ストラバイト結石になりやすい傾向はあります。

 さらに食事の給餌回数も尿のphに影響します。動物性タンパクでも植物性タンパクでも食後数時間は軽度にアルカリ尿(食後アルカリ尿)になるので、尿の酸性化が必要なミニブタにはいつでも自由に食べさせるのではなく、1日2回と決めて与えるようにします。またミニブタの採尿をする場合は、尿検査の信憑性を高くするためには食後3〜4時間後のものを採るのがいいでしょう。

ドライフードから缶詰に変更する
 ほとんどのミニブタはわずかな結晶を含む尿を排泄します。肉眼的に結晶があるとき、phを増加させないで尿を希釈するためには、水分含有量の多い食事を与えることようにするとよいでしょう。特に雄豚の場合は結晶が尿道閉塞してしまう可能性も高いので、水分を摂取しやすい食事に変更することは大切です。


 水分摂取量が増えると尿中の有害な物質を薄まり、尿が膀胱への接触している時間を減らすことにもなり、より頻繁に尿をするようになります。そして結果的に過剰な結晶を除去することになります。
 もしミニブタが食べてくれるのであれば、ドライフード(ペレット)に水を加えてみましょう。しかし、水でふやかした途端に食べなくなるミニブタもたくさんいます。その場合は、セミモイストフードに変更した後に野菜、ペレット混合フードへ移行させるとスムーズに移行できるかもしれません。食事を変更すると多くの豚がストレスを感じるので従来の食事と新しい食事を混ぜて徐々に切り替えるようにします。

有効とされるクランベリージュース
 昔からヒトの尿路感染症に対してメディカルハーブとして使用されるクランベリージュースの民間療法はよく知られています。クランベリーに多く含まれている“キナ酸”が尿を酸性化することなどから、人間のストルバイト結石の治療において有効だということが、これまでの研究で分かってきています。


 例えば、人間の女性にクランベリージュースを1日300ml摂取させたところ、尿路感染率が58%低下したという研究報告もあります。また、クランベリーの成分であるプロアントシアニジン(ブルーベリーに含まれるアントシアニジンなどと同じポリフェノールの一種)に尿路内に細菌が付着するのを防止する抗付着作用があり、尿路感染症の感染率を減少させることも大学の研究で立証されています。


 残念ながらミニブタにおいてクランベリージュースの科学的根拠となるデータは見当たりませんが、その効果は期待できそうです。実際、アメリカのペット業界ではその効能に着目し、クランベリーがペットフードの中でポピュラーな成分になっています。アメリカのペットフードメーカーの1/3が、製品の中に既にクランベリーを使用しているとも言われています。


 その他、マシュマロウ(穏やかな収れん作用、抗菌作用)やカウチグラス(抗菌作用、収れん作用、抗炎症作用、穏やかな利尿作用)などのハーブもその効果が期待されています。また、尿を酸性化するための療法として漢方の「猪苓湯(チョレイトウ)」も話題となっています。

これらは、利尿効果があると言われていますが、ミニブタへの臨床データーは、現在ありません。


適度な運動
 統計上の結果から去勢した雄ミニブタは去勢していない雄ミニブタに比べて下部尿路疾患の発生率が高いと言われています。


 一方で去勢手術をすると代謝率が低下して肥満となることが立証されています。これは去勢手術後に男性ホルモンが減少することにより雌ミニブタを追い掛け回すというローミング(俳諧行動)が減少するなど運動不足も一因となっているのかもしれません。


 適度な運動は尿のphを酸性化するだけではなく、去勢手術をして肥満傾向にある猫の下部尿路疾患の対策にも繋がります。

おわりに
 今回は、下部尿路疾患について様々な対処法をご紹介しました。人間の医療においても西洋医学や東洋医学、民間療法などいろいろな病気へのアプローチが存在します。動物の医療も最近では、高度医療を求める飼主さんから自然療法を求める飼主さんまでその治療に対するニーズも多様化しているようです。


 動物医療のプロである獣医師と充分相談しながら、ペットにとって最適な治療法を探してみてはいかがでしょうか?

(転載)
ニックネーム りぼん。パパ at 03:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うちも猫がストルバイトでした。

拾った時からだったので きっと今までのご飯や生活環境がよくなかったのでしょうか・・・
私の勉強不足で 室内飼いなのに4種のワクチンを打ってもらってしまい、ジジにはダメだったようで しんどくなって水分が不足して結石になり緊急手術となりました。(ご飯は処方食でした)

手術後 ストルバイト結晶はなくなり 今は通常食と処方食の半分半分と 手作り食です。
また冬ですのでお水の量が減らないようにしないといけませんね。

詳しく書いていただき ありがとうございます。
勉強になります。
Posted by もりもり at 2008年11月21日 10:51
もりもりさんへ>>>

猫のことは、解りませんが、早く良くなると、いいですね。猫は、餌由来の場合が多いのかしら?
Posted by りぼん。パパ at 2008年11月25日 02:33
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